お役立ちコラム

2026年02月20日

人が集まる、人中心のワークプレイスを体感してみよう(後編)

「未来のオフィス」の現場から

 2026年現在、リモートワークとオフィスワークを両立できる「ハイブリッドワーク」の環境整備を進めている企業は多いと思われます。「もっと人が集まる、魅力的なオフィスにしたい」「働きやすい職場環境を整えたい」といった声をお客さまからいただくたび、その切実な悩みに私たちも共感しきり。多様化する働き方や風通しのよい企業風土を推進していくためには、ただ単に集まる場所を用意すればよいというものでもなく、働く人の意思が通ったオフィス運用が必要です。どんなに豪華な場所をつくったとしても、従業員が“行きたくなる”場所でなければ宝の持ち腐れ。私たち自身、「そこで働き盛りの時間を長く過ごすのであれば、有意義なものにしたい!仲間といっしょに刺激し合える、成長できる場にしたい!」と常々思っているのです。

 そこで今回、東京・秋葉原の「秋葉原UDX」に開設されているライブオフィス「未来のオフィス 4×SCENE(フォーシーン)」へ見学にやってきました。ここは、NTTアーバンソリューションズグループのオフィスであり、従業員一人ひとりが「好み」と「行動・目的」に合わせて、より自由に、より柔軟に働く環境を選ぶワークスタイル「Personalized ABW」という考え方を自ら実証するための「実践の場」です。
 このライブオフィスには未来のオフィス像を示す4つのエリアが設けられていて、そのうち前回のコラムでは「INTRODUCTION(イントロダクション)」と「FOCUS(フォーカス)」を紹介しました。今回はその続き、「CASUAL(カジュアル)」「TEAM(チーム)」の2エリアを紹介します。見学に参加した若手社員ならではの意見や率直な感想をもとに各エリアでの「特徴・魅力・気になったこと」をまとめましたので、いっしょに新しいオフィス構築のヒントを探ってみてください。

※「未来のオフィス 4×SCENE」はNTTアーバンソリューションズの登録商標です。

★前回のコラムはこちら
人が集まる、人中心のワークプレイスを体感してみよう(前編)

オフィスツアーで心地よい働き方に驚きや感動も!?

 お客さま・従業員を迎えるエントランス空間「INTRODUCTION(イントロダクション)」と仕事に集中できる「FOCUS(フォーカス)」を紹介した前編に続き、後編となる今回はまず、カフェテーブルやソファベンチで仕事ができる「CASUAL(カジュアル)」エリアに向かってみます。

・CASUAL:自然と気軽な会話が弾む、オープンなコラボ空間

 「CASUAL」は、お洒落なBGMが流れていて、自然と会話したくなる雰囲気のエリアです。いわゆる給湯室という閉じた場所はなく、ちょっとした休憩ができるカフェスペースと連続して、仕切りのないオープンな空間が広がっています。ここなら、仕事の合間の気分転換がしやすそう。

 案内によると、照明は時間帯によって色合いが変わるとのこと。季節や天候の情報を反映して、空間照明が自動で色温度が変化するといいます。冒頭のメンバー3ショットとカフェスペースの写真を見比べると、同じ空間であっても照明の色合いが変化していることにお気付きになるでしょう。室内にいながら時間の変化を感じられることから「そろそろ帰ろうかな」と従業員に自然な行動を促すことができ、残業の抑制にもなりそうです。







カフェスペースでは、日中のスッキリした白色系から夕暮れ時を
感じさせる暖色系の色合いへの変化を再現していただきました

 ソファベンチやテーブル席、窓に向いたテラス席はいずれも人気なのか、どこも従業員でいっぱい。あちこちで会話が弾み、それぞれのスタイルで仕事をされているのが印象的でした。
 コロナ禍明けの当初はテーブルと席数が現在より少なく、広々とした空間だったとのこと。出社率の増加に伴いテーブルと席数を増やしていったとのことですが、それでもなお、開放感のあるゆったりとした空間です。
 窓際のソファ席では、環境音として「小鳥のさえずり」が流れていて癒されます。時間に応じて明るさを変化する照明と同じく、場所のにぎやかさに応じて音量が変わるそう。自然のリズムを感じながら仕事・休憩ができるので、いいアイデアも浮かんできそうです。


                                 「CASUAL」エリアのワークスペースは声が掛けやすい雰囲気

 テーブル席では当初、丸みのあるテーブルを採用していたそうですが、従業員の意見を取り入れて、作業のしやすさを優先した四角のテーブルに変更されたとのこと。こうした細かな気配りで従業員の満足度は変わってきます。
 昨年の大阪・関西万博では日本から海外へ「SWGs宣言」が発信されました。今年から、より従業員のウェルビーイング向上に努めたいという会社が増えていくことでしょう。従業員の働きやすい環境づくりのため、自社のオフィスに適した座席バリエーションを探されている方には、この「CASUAL」エリアがよい刺激になるのではないでしょうか。このエリアには、ほかにもWeb会議や面談などに使える個室ブースや、ウォーキングマシンで歩きながら仕事のできる変わり種のスペースがあります。みなさんも見学される機会がありましたら、いろいろと体験してみることをおすすめします。



Web会議などの通話中にも利用できそうなウォーキングマシン

TEAM:組織のコアとなるメンバーが集まりやすいワークエリア

 予約なしで自由に座れる席の多い「CASUAL」とは対照的に、「TEAM」は文字通り、組織・チームが集まって働きやすくするためのエリアです。個人用ロッカーを配置し、同じ組織に所属するメンバーが顔を揃えるように設計されています。固定席となっている役員ブース、執務デスク、収納などがあるのも、このエリアの特徴です。
 グループアドレスのエリアにあって、課題となるのはリモートメンバーとの会話ではないでしょうか。隣席でリモートの会話をされているとき、イヤホンから音漏れがしていたら否が応でも気が散ってしまいますし、会話をしている当人も気が気ではないでしょう。周囲に音漏れなく、リモート相手との会話に集中するための策として、ここには「パーソナライズドサウンドゾーン」という特殊なスピーカーが搭載された席があります。
 このスピーカーに音楽を流してもらったところ、離れていると何も聞こえてきませんが、着席したポジションだと確かに自分だけに音が聞こえてくるので不思議です。耳を完全に塞ぐことなく周囲の声が感じられるようになっているため、エリア内の人の呼び掛けにも応じることができます。リモートとオフィスの隔てなく、近くにいる人の雰囲気を感じながら仕事が進められる仕組みは、ツアー参加者全員に好評でした。

 役員や役職付きの従業員が座る固定席は、一般従業員の座席とパーテーションで区切らずオープンな場所に置かれていることも少なくありません。社外の人とのオンライン打合せなど音漏れが気になるシーンはよくありますが、上記のような指向性のあるスピーカーなど、ちょっとした気遣いのできる仕組みがあると安心です。グループアドレスの活用に悩んでいる方は、この「TEAM」エリアをよく見てみると新しいヒントが発見できるかも。









オンライン会議に集中していても周囲の気配が感じられる
「パーソナライズドサウンドゾーン」付きの独立席

オフィスがもっと魅力的になる各種機能の紹介

 前編から続くここまでのオフィスツアー、いかがでしたか。さまざまな働く4つのシーンを想定したエリアを紹介してきました。ここからは、利用する従業員の支持が高いオフィスの各種機能を紹介しましょう。

・ タイマー照明で終了時間をさりげなく告げる“会議室”

 まずは、「FOCUS」と「TEAM」の間にある会議室から。こちらは、二重ガラスの完全防音仕様。終了時刻前に自動で照明が数秒間暗くなり、会議の参加者にそれとなく退出をうながしてくれます。時間は任意で指定できるとのこと。












会議参加者が終了時刻に気付けるようにタイマー照明を採用

・ 心を落ち着けて集中力を高めるための“瞑想室”

 集中力を高めたい、やる気を整えたいといった従業員の要望には瞑想室がおすすめです。室内に入ると音楽が流れ、座り方についてアナウンスされます。外部からの音はほとんど聞こえなくなりました。しばらくすると、ミストが出てきて、プログラムの最後には香りに満たされます。この瞑想室には、多くのリピーターがいるそうで人気の高さが伺えます。「大事な会議の前に使っている」との声もあるようです。









左)瞑想室全景 右)あふれ出るミスト

・ 従業員自らが動画コンテンツを配信できる“STUDIO”

 ウェビナーや動画収録などができる配信スタジオもオフィス内にあります。二重ガラスの防音仕様になっていて、照明や撮影、音響機材がしっかり揃っています。普段は役員クラスの方が、従業員用のメッセージを収録する場所として使っているとのこと。従業員お手製の動画コンテンツは、どの企業でも必須の広報施策になりつつあります。こうした設備があると、レンタルスタジオなどを借りる手間やコストが省け、たくさんの動画コミュニケーションを立案することが容易になるでしょう。






必要十分な機材を揃えた配信スタジオ

・ にぎやかな会話に花が咲く“コラボレーションルーム”

 「CASUAL」エリアの中でカフェスペース・ワークスペースと併設されているのが、このコラボレーションルームです。

 今年5月、この部屋には新たな実証実験として生成AIを使ったデジタルアート「Well Meeting Wall」が導入されました。
 壁面のサイネージ上にあるカメラが空間にいる人の会話と笑顔の量を計測し、会話の量によって木が育ち、笑顔の量で花が咲くというグラフィック演出をサイネージのモニター上にリアルタイムで生成します。
 表情によっては雨模様になったり、時には鳥や動物が出てきて笑顔を誘ったり。まさに、“会議に花を咲かせる”新しい会議が体験できます。

「未来のオフィス」で感じられたこと

 ひと通り、エリアを巡るオフィスツアーは以上で終了です。前編では「INTRODUCTION」「FOCUS」の2エリアを、後編では「CASUAL」「TEAM」の2エリアと各種機能的な設備・空間を紹介しました。1つのオフィスに、いくつものオフィスが同居している感覚になりましたが、だからといって雑多な印象はありません。完全に遮るところ、オープンにするところのメリハリを効かせつつ、各エリアは緩やかにつながって見通しがよいため、実際の面積よりも見た目の広がりが感じられました。リモートワーカーとオフィスワーカーがコミュニケーションしやすい配慮だったり、室内にいながら一日の時間経過を自然に感じさせる工夫だったり、デジタルアートや照明の変化で会議の質を高める仕掛けだったり、随所にオフィスづくりのヒントがいっぱいで、改めて「人が集まって働くこと」を考える、よい機会になったと思います。

 特に、カフェテリアのような雰囲気の「CASUAL」エリアは象徴的で、従業員でにぎわっていたことからも普段から活用されていることがよく分かりました。まちのカフェだと長居するのは遠慮したくなりますし、レンタル会議室だとコストが掛かる上に時間制なので、ちょっとくだけた会話もしにくいです。お互いに適度な距離感で仕事をしつつ、気分転換をしたいときには雑談もできる、そんな気軽さがオフィスにあったらいいのに。そんなワーカーの思いを見事に体現しているな、と感じられました。

 さて、同行した若手社員はどのように感じたでしょうか。みんなの総評を最後にまとめておきましょう。

《ツアー参加者の声》

  • 武田:どのエリアも使う人への気配りがあり、とても働きやすいオフィスだと感じました。自宅だと難しいオン・オフの切り替えが、ここだと「CASUAL」から「FOCUS」に、空間の行き来で切り替えられるのがよいですね。チームで話しながら仕事を進める場面でも、ここなら気兼ねなく過ごせそうです。

  • 有馬:デスクで匂いの出るものを食べられないので、同じフロアでカフェスペースはうれしい。朝はやる気に満ちていて、夜に向かってトーンダウンしていく。ここは照明が自動で変化していくから、体内時計に沿った働き方ができそう。集中していると時計を見ないで過ごすことも多々あり、勝手に照明が暗くなってくれると締め作業に入りやすいです。それと、BGMがあるのもうれしいです。集中しているとき、何も音がないとかえってタイピング音が気になりますから。

  • 千葉:ほどよく人の気配があって話しやすく、働くリズムをつくりやすいオフィスだと思いました。リラックスして働ける空間と、集中できる静かな空間がバランスよく配置されていて快適でした。出社=気分転換になる場所と思えるのは、このオフィスならではだと思います。

 当社では、お客さまのビジョンや課題に合わせたオフィスプランニングをはじめ、内装工事のご提案・実施、各種備品の手配まで、「オフィスの環境改善」に関するあらゆるご相談を承っております。どうぞお気軽にお声がけください。

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