お役立ちコラム

2025年08月07日

コスパと環境配慮で変わる新しい職場づくり。オフィス什器の調達はどうする?

  • 内山課長:「鈴木くん、最近、社員の出社率が上がったからなのか、オフィス全体がなんだか手狭で騒がしいと思わない?」

  • 鈴木主査:「そうですね、内山さん。自席でオンライン会議をする人も増えてますから……。そうだ、周りを気にせず集中できる個人ブースか、ミーティングスペースをもっと増やしてほしいかも」

  • 内山課長:「オフィス環境の見直しは社長に言われているから、要望を出しておくね。各自の荷物も増えているから、そろそろちゃんとした個人ロッカーもないと、セキュリティや防災面も心配だし」

  • 寺西社長:「(心の声)う〜む、個人ブースに個人ロッカーか……。ミーティングスペースを増設するにも椅子やテーブルを揃えないといけないな。どれも必要性は分かるが、すべて新品で揃えるとなると一体いくら掛かるんだ……?」

……こんなやり取りが、みなさまのオフィスであるかもしれません。
 社員の満足度を高め、働きがいのあるオフィス環境を実現したい。しかし、いざ計画を進めようとすると、次に立ちはだかるのがオフィス什器の調達問題です。デスクやチェア、収納棚などをすべて新品で揃えるとなると、当然ながら多額のコストが掛かります。コストパフォーマンス(以下略:コスパ)を意識しながら、社員の満足度も高められる快適な什器を調達するには、「買い切り」や「リース契約」の他に、何か良い方法はないものだろうか……。
 実は、こうしたお悩みを抱える企業の総務担当者さまから、私たちにも多くのご相談が寄せられています。そこで今回は、これからのオフィスづくりに役立つ、賢い什器の選び方と調達方法を紹介しましょう。

【選び方】サステナビリティは必須視点。「環境配慮」と「快適性」を両立させる什器を選ぼう

 オフィス什器を選ぶ際、デザインや機能性、価格はもちろん大切な判断基準です。しかし、現代の企業経営においては、それらに加えて「環境配慮」という視点が欠かせない要素となっています。サステナビリティ経営やSDGsへの取り組みが企業の社会的責任として求められる中、オフィス什器の選定もまた、企業の姿勢を示す重要なアクションのひとつなのです。では、環境に配慮しつつ、従業員が快適に働ける什器を選ぶには、どのような選択肢があるのでしょうか。ここでは、「環境配慮」と「快適性」を両立させる賢い什器の選び方2つを紹介します。

(1)新品を選ぶなら:企業価値の向上が期待できるものを積極的に

 まず、新品の什器を選ぶ際に注目したいのが「環境配慮製品」です。例えば、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)の放散量が少ない「低VOC素材」を使用した什器は、オフィス空間の空気をクリーンに保ち、社員の健康を守ることに直結します。毎日長時間過ごす場所だからこそ、「健康」という視点はとても重要です。また、製造過程で発生するCO2排出量を抑制し、不用品となった後に解体・リサイクルしやすいサステナブルな製品も増えています。
 環境配慮製品の中でもユニークな選択肢として、再生古紙を活用したリサイクルダンボールを素材とした「ダンボール製品」がおすすめです。スチール製の什器よりも軽量、かつ再資源化に優れているため、環境貢献とともにコストを抑えたい場合にとても有効な選択肢となります。しっかりした構造体なので、デスクやテーブル、ワードローブなど荷重の掛かるアイテムラインアップが充実。なにより、やさしい手触りとデザインが好評です。
 こうした製品を積極的に採用することは、企業のブランディング活動の一環と捉えることができます。具体的なメリットとして考えられるのが、企業価値の向上です。
 さまざまなPRの場で「当社は、社員の健康と地球環境に配慮した職場づくりを実践しています」と発信することは、サステナビリティ経営やSDGsへの取り組み姿勢を明確に示す絶好のアピールになります。社内においても有言実行で取り組む姿勢は社員にとって大きな安心感となります。「会社が自分たちの健康や、社会・環境のことを考えてくれている」という実感は、会社へのエンゲージメント(信頼感や愛着)を育み、「この会社で働き続けたい」という意欲につながりますし、さらには、組織全体の生産性を高める効果も期待できます。

(左上・左下・右下)再生強化段ボールを使った個室ブースやテーブル ※椅子などは段ボール製ではありません

(右上) 表面は木目調などに加工されており一見すると段ボールには見えませんが、断面はご覧の通り、段ボール構造となっています

(2)コスパに優れた選択肢:「リユース品」でワンランク上の快適を

 環境配慮を叶えつつ、コスパの観点から注目されているのが「リユース品」の活用です。現在のオフィス什器市場におけるリユース品は、専門業者による丁寧なクリーニングやメンテナンスが施され、品質の高いものが数多く流通しています。
 リユース品を選ぶ最大のメリットは、その圧倒的なコスパにあります。例えば、新品のスタンダードなワークチェアを購入するのと同じ予算で、身体への負担を軽減する高機能な有名ブランドのチェアが手に入るかもしれません。同じコストをかけるなら、よりグレードの高い、快適な製品を選べる可能性が広がるのです。これは、従業員満足度の向上に直接的に貢献します。
 また、リユース品の活用は、それ自体が環境貢献活動といえます。まだ十分に使える什器を廃棄せず、次の使い手へとつなぐ。この「モノを大切に使い続ける」という行為は、廃棄物の抑制(リデュース)につながるだけでなく、新しい製品を製造するために必要だったはずの資源やエネルギーの消費を抑えることにも貢献します。これは、近年注目されるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の考え方を、オフィスで実践する具体的なアクションになります。コストを抑えながら、より快適な製品を手に入れ、さらに環境にも貢献できる。リユース品は、まさに一石三鳥の選択肢といえるでしょう。

 ここまで紹介してきたように、オフィス什器の選定は企業姿勢を社内外に示す機会のひとつとなります。サステナビリティの視点でオフィス什器を選ぶこと、それは企業のブランドイメージ、人材獲得力、そして従業員の生産性を高める「未来への投資」と捉えることができるのです。

 とはいえ、「具体的にどんな製品が環境に良いのか、一つひとつ調べるのは大変だ」と感じる担当者がいらっしゃるかもしれません。その際に役立つのが、環境省が公開している「環境ラベル等データベース(https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/)」です。エコマークやグリーン購入法適合製品など、さまざまな環境ラベルの情報を検索できるため、オフィス什器や物品を調達する際の客観的な判断材料として、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

【調達方法】「サブスクリプション」で実現する、柔軟で無駄のないオフィス什器の運用

 さて、次に考えるべきはその「調達方法」です。従来、オフィス什器の調達といえば、自社の資産として購入する「買い切り」か、数年単位の契約で借りる「リース」が一般的です。
 「買い切り」は、長期間利用する場合には総コストが割安になる可能性があり、自社の資産として計上できるメリットがあります。「リース契約」は、購入に比べて初期費用を抑えられ、契約期間が満了すれば最新の什器に入れ替えられるといった利点があります。これらは現在でも有効な選択肢であることに間違いありません。
 ここに、第3の選択肢として私たちがおすすめしたいのが「什器のサブスクリプション」という新しい調達方法です。この運用方法には、従来の「買い切り」や「リース」にはない、企業経営に大きなメリットをもたらす3つの特徴があります。

特徴1:初期費用の抑制

 什器のサブスクリプションは、1年や2年といった短い期間だけ必要な数を定額料金で利用できるサービスです。レンタルよりも取り扱いメーカー、家具のバリエーションが豊富で、一般的なリースよりも短い契約期間で利用できる点も、サブスクリプションの魅力です。搬入費などは発生しますが、全体としては初期コストを大幅に圧縮することができ、その分、経費として利用料金に充てることが可能になります。

特徴2:事業の変化に対応できる柔軟性

 企業の成長フェーズや事業戦略に応じて、人員計画やオフィスレイアウトは変動するものです。サブスクリプションなら、比較的短期間での什器の入れ替えや個数の増減ができますし、通常5年以上の契約期間がある場合の多いリース契約と比べると、より効率的な什器運用が実現できます。

特徴3:管理手間とコストからの解放

 サブスクリプションサービスには、多くの場合、什器の交換や利用サポートが含まれています。万が一の故障時にも、サービス提供事業者が対応するため、手配先が一元化できます。「資産」として管理する必要がないため、減価償却の計算や固定資産税の申告といった経理上の手間からも解放されます。
 例えばスタートアップ企業や、企業の規模拡大前や初期で、1〜2年のうちにオフィス移転が想定される場合などは、サブスクリプションが最適解になると思います。調達の失敗リスクを最小限に抑えながら、理想のオフィス環境を追求できる、極めて戦略的な什器の運用方法といえるでしょう。

 

  • 総務の馬場さん:「お望みの個人ブースが入ってよかったわね!」

  • 鈴木主査:「えぇ、ここならよく眠れそうです!」

  • 内山課長:「そうそう、静かな空間で気持ちよく〜って、おい!寝るなら休憩室へ行きなさ〜い!」

コスパも、快適も、環境配慮も。諦めないオフィスづくりを。

 オフィス什器の選定と調達は、単なる「モノ選び」ではありません。サステナビリティ経営やSDGsへの取り組み を推進するお客さまにとって欠かせない「環境配慮」と「従業員満足」を両立できる機会として、快適なオフィスづくりの「第一歩」になります。

 今回ご紹介したリユース品やサブスクリプションサービスのご提案はもちろんのこと、お客さまの事業計画や働き方に合わせたオフィスプランニング、内装工事の設計・実施、そして、不要になった什器の買取・処分まで、当社はワンストップで対応が可能です。各種環境ラベルに対応した物品調達や、日々の業務に欠かせない衛生用品、万が一に備える防災備品の選定・手配など、「オフィスの環境改善」に関するあらゆるお困りごとに、専門的な知見からお応えします。どうぞ、お気軽にお声掛けください。

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