お役立ちコラム
2026年10月15日
オフィス模様替えの効果を社内で説明できますか?──データで経営層に語るオフィスのリノベーション

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内山課長:「うちのオフィス、個人ブースも入って徐々に使い勝手が良くなってきたわね。……で、ここからもう一段、生産性を上げるにはどうしたらいいと思う?」
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鈴木主査:「次はいまどきのオフィスのように、島型になっている机をパーッと減らして、打合せコーナーとかコミュニケーションスペースをドーンと増やしましょうよ」
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内山課長:「“パーッと”“ドーン”ねぇ……。で、鈴木くん。それ、社長に“費用対効果は?”って聞かれたら、なんて答えるの?」
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鈴木主査:「え……“なんとなくコミュニケーションが活性化する感じ”……ですかね?」
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寺西社長:「(通りすがりに)鈴木くん、そんなにフンワリした話だと困るなぁ」
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総務の馬場さん:「(心の中で:そう……“なんとなく”に予算は付けられないのよ)」
……こんなやり取りが、みなさまのオフィスでも起きていないでしょうか。「オフィスをもっと良くしたい」という思いはあっても、いざ動こうとすると「その費用で、どんな効果があるのか」を説明できずに立ち止まってしまう。今回は、“なんとなく”の模様替えから一歩進んで、データを土台に「成果の見えるオフィスのリノベーション」を実現する考え方を、やさしくお届けします。
「戦略総務」への転換を期待される、担当者のお悩み
「オフィスをもっと良くしたい」「経営陣からも“戦略的に考えてほしい”と言われている」。そう感じながらも、いざ何から手をつければいいのか、どう動けば成果につながるのか、頭を悩ませている総務担当者は多いのではないでしょうか。とりわけ、ファシリティマネジメント(オフィスや設備を経営資源として戦略的に管理する仕事)に長けた専任者を置けていない企業では、その期待が総務担当者一人の肩にのしかかりがちです。
背景には、オフィスの役割そのものの変化があります。働く場所の選択肢が広がり、人材の獲得競争が激しさを増す中で、オフィスは単なる「仕事をする場所」から、優秀な人材を引きつけ、従業員エンゲージメント(会社への愛着や仕事への前向きな関わり)を高める空間へと変わりました。出社が“選択”になった今、オフィスには「わざわざ来る価値」が求められています。
こうした変化を背景に、オフィスは人事・ICT・財務と並ぶ「第4の経営基盤」とも言われるようになりました。とりわけ、本社に加えて地方拠点や工場・研究所など複数の拠点を抱える企業では、それぞれの働き方に合った空間をどう設計するかが、組織全体の生産性や一体感を左右します。だからこそ、総務担当者には、指示を受けて動く「プレイヤー」から、自ら課題を見つけて打ち手を提案する「戦略総務」への転換が期待されているのです。
とはいえ、いざオフィスのリノベーションに動き出そうとすると、多くの担当者が共通の壁にぶつかります。
多くの担当者がぶつかる、2つの「壁」
壁その1:費用対効果を、客観的に説明できない
什器の入れ替えもレイアウトの刷新も、相応の費用がかかります。ところが、その投資が「どれだけの成果を生むのか」を数字で示すのは簡単ではありません。経営陣に必要性を論理的に説明できず、稟議が思うように通らない……。本来は経営戦略と連動するはずのオフィス投資が、その連動を言葉にできないために後回しにされてしまう。心当たりのある方は少なくないはずです。
壁その2:「本当の課題」が見えていない
「手狭だという社員の不満があるから席を増やす」「前回もこうだったから今回も同じで」。こうした感覚や前例による判断は、必ずしも間違いではありません。ですが、本当に解決すべき課題に向き合えているかというと、心もとないのが正直なところです。例えば「会議室が足りない」という不満。ふたを開けてみると、一部の人が長時間の予約を入れたまま使っていなかったり、少人数で大きな部屋を占有していたり、“足りない”のではなく“使い方に偏りがある”だけ、ということもあります。場当たり的な改善では、こうした本当の課題は見過ごされてしまいます。
この2つの壁を越える鍵が、「感覚」と「数字」を掛け合わせる、という発想です。
解決の鍵は、「定性」と「定量」の掛け合わせ
オフィスの現状を正しくつかむには、感覚(定性)だけでも、数字(定量)だけでも足りません。私たちは、その両方を掛け合わせることで、地に足のついた“現状把握”ができると考えています。
■ 従業員の「声」を見える化する(定性データ)
まず欠かせないのが、実際にオフィスを使っている人たちの声です。総務担当者や従業員のみなさまに、オフィスの使われ方や満足度、潜在的な不満についてアンケートを実施します。設問は多岐にわたり、働き方や執務環境のニーズを、さまざまな角度からすくい上げます。「なんとなく不満」という曖昧な感覚を、「どこに・どんな不満があるのか」という共有できる形へ翻訳していく。これが、課題を“個人の印象”から“組織の共通認識”へと変える第一歩です。
こうして声を見える化すると、担当者の肌感覚では気づきにくかった論点も浮かび上がります。集中できる席が足りないのか、逆に気軽に雑談できる場がないのか。部署によって求めるものが違うのか。複数の拠点を持つ企業であれば、本社と地方拠点、あるいは工場や研究所とで、働く人の困りごとが大きく異なることも珍しくありません。声をそろえて可視化することで、「どの拠点の・どの課題から着手すべきか」という優先順位の議論が、初めて同じ土俵にのるのです。
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オフィスで働く社員のインサイトを探りましょう
■ 実際の「使われ方」を可視化する(定量データ)
もう一方の柱が、客観的な利用実績です。例えば会議室の予約・利用データ(Microsoft 365などの予約システムからの抽出を想定)を切り出すと、稼働率や利用人数、特定の人による占有の状況といった“事実”が見えてきます。先ほどの「会議室が足りない」という声も、この定量データと突き合わせれば、増やすべきなのか、それとも使い方のルールを見直すべきなのか、打ち手の方向性が判断できるようになります。
定性データが「人の感じ方」を、定量データが「実際の使われ方」を映す。この両輪がそろってはじめて、思い込みに頼らない診断が可能になります。片方だけでは、「不満はあるが実態が分からない」あるいは「数字はあるが理由が読めない」という状態から抜け出せません。両方を重ねて初めて、「なぜそうなっているのか」「だからどう手を打つべきか」までが見えてくるのです。なお、アンケートにはMicrosoft Formsを活用するなど、担当者や回答者に過度な負担をかけずに集められる仕組みを利用しています。忙しい総務担当者が、通常業務の合間でも現状把握を進められること。これも、続けられる仕組みには欠かせない視点です。
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事実を客観的につかむことも大切な要素です
データは、「意思決定」と「説明責任」を支える
定性と定量のデータがそろうと、何が変わるのでしょうか。
いちばん大きいのは、改善への投資に“優先順位”をつけられるようになることです。限られた予算の中で「まず何から手をつけるべきか」を、根拠を持って判断できる。これは、感覚だけでは決して得られない確かさです。
そして、数字と従業員の声という2つの裏付けがあれば、経営層への説明責任を果たせます。「ここにこれだけの不満があり、実際の使われ方もこうなっている。だから、この順番でこの投資が必要です」――そう語れる資料は、稟議を通すうえで何よりの後ろ盾になります。曖昧な“お願い”ではなく、根拠ある“提案”として、オフィスのリノベーションを経営のテーブルにのせることができる。まさに、指示待ちから一歩踏み出した「戦略総務」の仕事です。
この“共通のものさし”は、複数の拠点を持つ企業でこそ力を発揮します。拠点ごとにばらばらの基準で「なんとなく」判断していては、どこにどれだけ投資すべきかを横並びで比べられません。同じ観点で現状を可視化しておけば、「まずは課題の大きい本社から着手し、地方拠点は次の段階で」といった全社最適の意思決定がしやすくなります。担当者にとっても、自分の提案が経営の優先順位とどうつながるのかを示せることは、大きな安心材料になるはずです。
もうひとつ大切なのは、これを一度きりで終わらせないことです。現状を把握し、課題を抽出し、解決策を検討して社内の合意を取り、実行し、効果を測る。この一連の流れをPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善を繰り返す進め方)として回していくことで、オフィスは“変化に強い経営基盤”へと育っていきます。オフィスのリノベーションは、模様替えという「点」ではなく、育て続ける「線」の取り組みなのです。
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PDCAサイクルで叶えるオフィスのリノベーション
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鈴木主査:「なるほど……“なんとなく”じゃなくて、データで語る。これなら社長にも説明できますね!」
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内山課長:「そうよ。“ドーンと”の前に、まず“見える化”。順番が大事なの」
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寺西社長:「うむ。数字と社員の声、両方そろえば、私も気持ちよく承認できるのだ」
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総務の馬場さん:「これでフンワリしているのは、社長の椅子の座り心地だけかもしれませんね」
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寺西社長:「……うまいこと言うねぇ。じゃあ私の椅子も、データを取って見直すとするか!」
「戦略総務」への、確かな第一歩を
オフィスが「第4の経営基盤」となった今、求められるのは、感覚や前例から一歩踏み出し、データでオフィスを語る姿勢です。それは、総務が経営に貢献する「戦略総務」へと進化していく道でもあります。
私たちNTTアーバンバリューサポートは、従業員の声(定性)と利用実績(定量)を掛け合わせてオフィスの課題を可視化する「オフィス診断ソリューション」をご提供しています。声の見える化から利用データの分析、費用対効果を踏まえた改善提案、そして稟議を通すための資料づくりまで。さらに、診断レポートやダッシュボード、改善ロードマップを通じて、PDCAサイクルの定着までを一貫して伴走します。単発の“お手伝い”ではなく、みなさまのオフィスを継続的に育てるパートナーでありたいと考えています。
「まずは自社のオフィスの現状を、正確なエビデンスとしてつかみたい」「オフィス投資の効果を、経営層にきちんと説明できる形にしたい」。そんな課題をお持ちの企業さまは、ぜひ一度ご相談ください。みなさまのオフィスに眠る“本当の課題”を、私たちとともにデータで明らかにし、次のリノベーションへの一歩を踏み出してみませんか。どうぞお気軽にお声掛けください。
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※Microsoft、Microsoft 365、Microsoft Forms は、マイクロソフトグループの商標です。