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プロパティマネジメント

2024年04月23日

社内活性化のための新しい社内レクリエーション         「eスポーツ」のススメ(後編)

 株式会社NTTe-Sports(以下略:NTTe-Sports社)が運営する施設「eXeField AKIBA(エグゼフィールド アキバ)」にて、初めてeスポーツを体験した当社メンバー。若手社員もベテラン社員も一緒になって夢中になれる社内レクリエーション(以下略:社内レク)を求めて体験した結果、オンライン参加、現地参加に関わらず、参加したメンバー全員が楽しめ、かつ、社内レクとしての可能性を確かに感じることができました。若手社員の参加率を上げたい、何か目新しい社内イベントを開催したい、と悩まれている企業のご担当者さまにも、eスポーツは間違いなくオススメです。
そこで後編となる今回は、社内レクとしてのeスポーツの有用性が具体的にイメージできるよう、eスポーツイベントを社内で企画する際のコツや、当社が管理するオフィスビルで開催されたeスポーツイベントを実例に挙げてお伝えします。

そもそも、eスポーツのよさって何ですか

 eスポーツを社内レクに取り入れたいというお客さまの要望が高まり、eスポーツイベントの企画・運営・サポートを丸ごと提供できる「eスポーツ×社内レクパッケージ」の提供を始めたというNTTe-Sports社。「eXeField AKIBA」でのeスポーツ体験を終えた熱気そのまま、NTTe-Sports社の苦瀬氏・水谷氏ご両名にeスポーツのよさをうかがいました。eスポーツを社内レクとして開催する3つのメリットは、以下のようにまとめられると水谷氏はいいます(詳細は前編に掲載)。

メリット1:若手社員の受けがよく人材育成としても◎!
メリット2:地域や働く場所を選ばず幅広い社員を巻き込める!
メリット3:社内の親睦が深まり会社の一体感や人間関係を底上げ!

その根底には、フィジカルスポーツにはないeスポーツのよさがあり、それらは以下、5つのキーワードに集約できるという水谷氏。

・エイジレス
・ジェンダーレス
・ハンディキャップレス
・エリアレス
・コンタクトレス

 水谷氏の解説によると、eスポーツはエイジレス、ジェンダーレス、ハンディキャップレスの性質によって、年齢や性差、身体能力に左右されず、幅広い世代が同じ競技に親しむことができます。また、eスポーツの多くはオンラインでプレイできるため、エリアレス=場所を選ばずに実施できます。さらに、コロナ禍を経験してコンタクトレスの性質がより注目されています。インフルエンザなど感染症による疾患リスク対策として1つの会場に人を集め過ぎず、適度に密を回避させながらイベントを開催することができるのもeスポーツならではの特長だといえそうです。
 eスポーツは企業の社内レクに限らず、自治体、教育、福祉など幅広い領域で活用されるようになっているという水谷氏。教育の領域では、eスポーツ部を創設する高校も増えてきていて、その取り組みを通して、デジタル人材の育成や海外交流へ発展させようとしている学校もあるそうです。なるほど、そうした状況を肌で実感する、デジタル人材との接点をつくるというのも、eスポーツを社内レクとして企画する理由になりそうですね。

eスポーツを使って社内レクイベントを企画する際のコツ

 ここで、eスポーツを使って社内レクイベントを企画する際のコツを、苦瀬氏・水谷氏のご両名から教えてもらいました。個社契約で依頼・発注する際に考えておきたいポイントを4つピックアップします。

1:開催する目的を決める

 eスポーツを企画、または依頼・発注する際にはまず、イベント要件の整理をしなければなりません。なかでも重要視したいのは「開催する目的」です。「周年記念イベントで活用したい」「新入社員研修で活用したい」「若手社員とベテラン社員の交流を活発化させたい」「他の企業との合同レクリエーションで活用したい」など、実施目的は多岐にわたります。目的がまだ明確に定まっていない場合は、NTTe-Sports社のような経験豊富な専門家に尋ねると安心です。

2:eスポーツタイトルを選定する

 社内レクに参加する従業員の多くは、ゲーム初心者から中級者になるでしょう。よって、ルールや操作方法がわかりやすいタイトルが好まれやすいです。「社内のコミュニケーション活性化」を目的とするのであれば、一度に複数人が参加できるタイトルが良いと水谷氏。今回体験したようなチーム戦で競い合うタイトルなら、チームビルディングとしても有効だと私たちは感じました。






[NTTe-Sports社 水谷氏]

3:司会者・実況解説者を選定する

 司会者・実況解説者がいるといないとでは会場の盛り上がりに大きな差が出るため、できれば、プロの司会者・実況解説者に任せるのがオススメだという苦瀬氏。社内レクを「ごく一部のeスポーツファンしか楽しめないイベント」にするのではなく、「老若男女問わずみんなが楽しめるeスポーツ大会」にするためにも、プロの力が頼りになります。




     
                 [NTTe-Sports社 苦瀬氏]

4:企画を練り込む

 eスポーツイベントが生み出す「一体感の醸成」や「コミュニケーション活性化」には、しっかりと練られた企画が必要だと苦瀬氏はいいます。具体的には、全社員が戸惑わないオペレーション、環境づくり、誰でも応援しやすい見せ方、座席配置など、決めるべきポイントは多岐にわたるそう。イベントを成功させるためには、事前の要件定義を納得のいくまで詰めていくことが企画のコツだといえそうです。その実例として次に、東京・大手町で開催したeスポーツイベントを紹介しましょう。

実例:東京・大手町のオフィスビルでeスポーツを開催

 東京駅の徒歩圏にある「大手町プレイス」は、当社がビル管理者に名を連ねているオフィスビルです。2023年1月27日(金)、そのカンファレンスセンターを舞台に「大手町プレイスeスポーツフェスティバル」を開催しました。主催は大手町プレイス管理組合です。企画制作はNTTe-Sports社を含む3社が担い、当社が所属する大手町プレイス管理業務共同体が運営を任されました。

 このeスポーツイベントは、大手町プレイスのテナント企業のみなさんから「企業間の交流の場を作ってほしい」という要望が寄せられたことがきっかけとなって発案されました。同ビルのエリアマネジメントコンセプトは「入居者満足、認知度向上」です。これに則して、ビルに入居するテナント企業および店舗の従業員の方々を主な参加対象者としながら、一般来場者も考慮した企画検討が進められました。

 イベントによって達成するべき課題は「参加者全員が楽しめること」。また、運営面では、イベントの成功に欠かせない「集客数の確保」に加え、「対戦方法はどうするべきか」「対戦していない時間は何をしてもらうか」といった点が課題になりました。

 まず「参加者全員が楽しめること」という課題については、一般認知度が高いサッカーゲームをメインタイトルとして利用すること、メインタイトル以外にはパズルゲームやレースゲームなど、自由対戦形式で多くの来場者が気軽に体験できるeスポーツタイトルをいくつも用意することで解決しました。「入場時に配布したカードを奪い合う」というゲーム性を設けて、対戦しながらコミュニケーションを取れる環境を構築。たくさんのコインと引き換えにお菓子がもらえるようにして、対戦していない時間も退屈にならず、来場者の誰もが飽きずに楽しめるイベントを心掛けました。

 開催時期がちょうどサッカーワールドカップ(2022年カタール大会)が終わった時期にあたり、世間のサッカー熱が高かったことも相まって、そのプレスリリースはニュース媒体に多く取り上げられました。イベント1週間前からビル内部での告知を徹底し、また、テナント各社の総務部門などでも参加者を呼びかけていただいた結果、一番の懸念であったトーナメント戦のエントリー数が定員に達しました。

 当日は金曜日の18時スタートという時間帯でしたが、メインタイトルのチーム参加者のほか、ビル近隣の方々や、テナント従業員のご家族も大勢来場してくれました。片桐仁さん、エレキコミックさんを始めとした芸能人がトーナメントにゲスト参加して、各試合の実況も担当。来場者ブースでは一般参加者と一緒にゲームをしたりと活躍いただき、会場は大いに盛り上がりました。

 オフィスビルのカンファレンスホールを活用したこのeスポーツイベントは、結果的に当初の狙いであった「入居企業間の親睦を図ること」について、良好な成果を挙げることができました。参加者アンケートでは「同企業内での交流が自然と生まれたこと」、「初対面の来場者同士がコミュニケーションをとり交流を図れたこと」などが良かったという声が寄せられました。同アンケートによると、参加者の年代は、20代・30代で7割、40代以上で3割となり、若手が来客のコア層でありつつ、幅広い年代も足を運んだことが分かります。
NTTe-Sports社の苦瀬氏は「初対面でも話題に困らないという利点がeスポーツにはあると感じました」といいます。「得られたフィードバックから想定よりも同僚を応援する需要があると分かり、eスポーツに限らず企業対抗イベントの成功イメージが掴めた」と当社の運営担当者の声。満足度評価ではアンケートに答えた88%の人が概ね満足し、「次回も参加したい」という声が多かったようです。

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 今回の実例には、eスポーツイベントの有効性や新しい社内レク企画のヒントがあったように思います。「社員同士のコミュニケーションの活性化」や「社員のエンゲージメント向上」につながる施策として、「若手社員の参加率向上」「社内イベントのマンネリ打破」に効く施策として、みなさまの企業でもeスポーツの活用を検討してみてはいかがでしょうか。当社から、同様のeスポーツイベントを実施できるカンファレンスをご紹介することも可能ですので、ご興味ある方はぜひお問合せください。